志ん朝の落語6

志ん朝の落語 6 (ちくま文庫)

志ん朝の落語 6 (ちくま文庫)

寄席好きで、落語好きなオイラが、あの日を境に寄席から遠ざかってしまいました。
平成13年10月、突然の訃報。正統江戸弁を使う落語家古今亭志ん朝が亡くなったと聞いても、オイラは、すぐには信用できなかった。日がたつにつれ、連日のように報道される訃報のニュースに、信じるしかなかった。
二年前に他界した親父が落語が好きで、幼い頃よくテープやラジオの落語を親父とよく一緒になって聴いていた。
いろいろいる落語家の中でも、関東では志ん朝、関西では二代目桂枝雀が一番のお気に入りだった。親父は、五代目志ん生が好きだったようだが、オイラは聴いたことがないから判らない。
いまは、志ん朝も枝雀も志ん生も他界してしまっている。
で、志ん朝だ。
立て板に水がごとく江戸弁をまくし立ててしゃべる落語は、秀逸。
ホントに目の前に熊さんや八っあんがいるような錯覚を覚えるほどだ。
この「志ん朝の落語6」は、志ん朝の代表的演目を収録した落語集の第6弾。
素晴らしいのは、志ん朝の微妙な節回しが、再現されており読んでいるはずなのに、目の前で志ん朝がしゃべっているのではないかと思えてしまえるのだ。もっとも志ん朝のテープを擦り切れるまで聴きまくったオイラだからこその錯覚なのだろうが。

久しぶりに池袋演芸場に足を運んでみるかな。
ちなみに、最近のお気に入りは、
柳家喬太郎柳家花緑(小さんの孫)、入船亭扇辰
の三人。
三人ともこっけい話から人情話まで出来る人たち。
とくに喬太郎の芝浜、花録の初天神、扇辰の寿気無は必聴。